◎お話をお聞きした人お雑煮研究家。香川県出身。転勤族の家庭に育ち北海道で幼少期を過ごす。現在も全国各地に伝わる雑煮を求め、各地に移り住みつつ研究と普及活動を続けている。著書・メディア出演等多数。10お餅を入れた汁物をお雑煮とすると他には菜っ葉を少々・・・という地域が、圧倒的に多いそうです。一方、お正月を祝う料理として、ハゼ・アカムロ・ホヤなど流通量の少ない高価な食材や地元を代表するような具材を惜しげもなく使うケースもあります。お餅は、おおまかに角餅は東日本、丸餅は西日本に多く分布。粕谷さんの出身地の香川県など、餡が入っている地域もあります。だしは京都のように白みそを使う所もあれば、名古屋のように「みそをつけない」という縁起担ぎで八丁味噌ではなくすまし仕立てを使うなど様々です。長崎・大分・福岡の焼きあごだしや鹿児島の焼きえびだし等、スペシャルなものもあります。バラエティーに富んだ雑煮ですが、「我が家の雑煮こそ普通。来年も我が家の雑煮を食べる。」と皆口を揃えていいます。年に一度、同じものを食べるといった特別な習慣が、地域の歴史や伝統をそのまま残してくれているのかも知れません。粕谷さんのお雑煮巡りは、温泉やご当地ラーメン巡りが趣味というのと似た感覚だといいます。少し異なるのが、基本どれもシンプルなのでご家庭でも再現がしやすい事です。今回は、お正月に限らず普段使いもできるレシピを教えていただきました。実は男性が作る地域も多いというお雑煮。簡単なのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。粕谷浩子さん特集2town information全国お雑煮巡り。
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